Our Story

世界を旅して

代表の坂田は、もともと広告制作の仕事をしていました。
「私はここで成功すれば幸せになれる」と信じて、血を吐いて倒れるほどに必死に働きました。
けれど、過労な日々のなかでどんなに心を潰やしても、幸せと思えることはなく。
あの手この手で欲を掻き立て、消費を促す仕事を続けていくうちに心は病んでいき「いま自分がもっている価値観のままでは、この先はしんどくなっていく一方だ」と思うようになりました。
そして仕事を離れ、世界一周へと旅立ちました。

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旅先で出会った人々は、私の凝り固まった価値観を溶かしてくれました。

持ち運べるだけの家財しか持たない、モンゴルの遊牧民。
全裸でテント暮らしを楽しむ、ヨーロッパ最南端の島の長期滞在者。
自分の食べる量が減っても、みんなとお菓子を分けあうラダックの子ども。
身の危険を顧みず、チベットの受難を伝えるために活動するチベット人ガイド。
環境負荷の少ない農法で、循環型の生活に挑戦しつづけるオーカス島の農家。
石油依存の生活を見直そうと、街をあげてパレードをするポートランドの人々。

「たくさん作って、たくさん捨てる」ではない暮らし方。
「多く持っている人が、持っていない人に分けること」が当たり前な世界を体感しました。

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デザインパートナー リリアンとの出会い

なかでも忘れられないのが、ケニアのナイロビにある巨大スラム街キベラで出会った、ひとりの女性。
彼女の名前はリリアン・ワガラ。

10代で両親が他界。長女であった彼女には18人の兄弟姉妹がいました。幼い子たちを育てるために必死に働くなかで、貧しい子どもたちにこそ教育が光になると開眼。そして、彼女は寺子屋「マゴソスクール」をはじめました。最初はたったひとつの机もなくスタートした、スラム街の奥深くにある小さな学校です。
困難を乗り越えながら孤児・ 困児童のために教育をつづけてきた「マゴソスクール」には、さまざまな人からの応援が集まり、いまでは生徒数500人を超える学校となりました。
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リリアンは支援を募るだけでなく、洋裁の技術を身につけ、工房をつくり、資金を調達していました。

そんな彼女と仲間たちが運営する学校に通うたびに、そこで学ぶ子どもや働く大人たちの生き生きとした姿を見るたびに、スラムで日々起きる圧倒的な現実の厳しさを教えられるたびに、自分のためだけに旅をしている自分が、恥ずかしくなっていきました。

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ファッションの持つ力


この学校をはじめ、スラム街にある学校の多くは、スラム住民により創設・運営がされている私立学校です。現在、ケニアでは教育の無償化が進んでいますが、その対象は公立校のみ。学びたい子どもの数に対し、公立校の数が足りていないのが現実です。

私立校に通うしかないスラムの子たちが、学費を理由にドロップアウトせず安心して学んでいけるように。私もなにかできないかと、そう思うようになりました。

リリアンは年に一度、ファッションショーを開催しています。自らデザインし、工房で縫った衣装を生徒や卒業生に着せ、校庭につくったランウェイを歩いてもらうのです。

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参加した生徒に話を聞きました。

「新品の服をはじめて着ることができてうれしかった」
「人前に出るには勇気が必要だったけど、服に自身をもらった」
「何年も前に出演したときの服は、いまでも大切に着つづけている」
「服が、私の美しさと才能を引き出してくれた」

ここで、私はファッションの持つ力を教えられたのです。

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Hello!  We are SHIFT 80.


この出来事が「SHIFT 80」の生まれるきっかけとなりました。
デザインパートナーとしてリリアンを迎え「個性と自信を引き出す」アイテムをつくっていきます。

スペシャルな日だけじゃなく、私たちは毎日服を着る。

だから、名もない一日にも、心地よく寄り添える服が必要です。

一着の服に込められた物語と、あなたの価値観をまとってください。


こんにちは。
私たちは「SHIFT 80」です。

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